事前確定届出給与 届出額を支給しなかった場合

届出時の金額と支給時の金額が違う場合

事前確定届出給与について「届出額と実際の支給額が違ったらどうなるのでしょうか?」という質問がしばしばあります。

結論から言ってしまうと、最初の届出どおりの支給額でなければ、原則的に支給額の全額が損金不算入となってしまいます(未払計上は基本的に認められていません)。

 

一職務執行期間中複数回支払いがある場合

一職務執行期間中に複数回の支払いがあるときは、通常よりも少し取扱いが複雑になります。

それではまず、次の設例で考えてみましょう。

(例)当社(3月末決算)が定時株主総会(H29.5.26)にH29.12.25及びH30.5.20に200万円ずつ支給する旨を決議し、事前確定届出給与届出書を提出している

 

 

 

 

ここで3つの支給パターンを検討します。

12月給与

(H29.3決算)

5月給与

(H30.3決算)

A 100万円支給× 200万円支給×
B 200万円支給〇 400万円支給×
C 200万円支給〇 支給なし(―)

 

 

 

 

 

 

(〇…損金算入・×…損金不算入)

届出どおりの支給が行われているかの判定方法は、一職務執行期間(H28.5.26から1年)に支給が複数回にわたる場合には、「職務執行期間の全期間」を一単位として行います。

 

(Aの場合)

12月分が届出どおりに支給されていなければ、それ以降の職務執行期間のすべてが定めどおりに行われないことが確定するため、支給のすべてが損金不算入となります。
ですので平成29年5月に届出通りの金額が支給されていても損金不算入となってしまいます。

 

(Bの場合)

12月分を届出どおり支給していれば、H30.3月決算時点で、損金不算入とする事はありません。
そのため、支給した200万円を損金算入する申告が認められる事となります。

その後5月に届出どおりの支給がなければ、前年度12月分も損金不算入となり、本来修正申告が必要とされるのですが、支給しなかったという事実が前年度の課税所得に影響を与えるのもおかしな話ですので、結果的に5月支給の400万円のみが損金不算入という事になります。

 

(Cの場合)

5月分は届け出たものの支給しなかったため、そもそも不算入とする金額も存在しません。よって、申告調整も行わないことになります。

 

特定の役員だけが届出どおりでない場合

複数の役員について事前確定届出給与の届出をしている場合に、特定の役員だけ届出通りの支給をしなかったときは、役員全員分の給与が損金不算入の対象とならず、その届出どおりの支給をしなかった役員の給与のみが損金不算入となります。